2012年3月、大学院の修士課程を卒業して、いよいよ社会に飛び立つという直前の最後の春休み、「最後のモラトリアムを満喫しよう」ということで選んだのが南米への旅でした。
私の人生でもっとも楽しかった旅の記録を、当時の興奮・感動がそのまま焼きついた、旅行中に執筆した文章をそのままに公開いたします。
楽しいことはもちろん、今となっては笑い話ともいえる失敗談まで包み隠さず書いています。
なお、当時の文章をそのまま公開する都合上、時制は2012年3月当時であり、かつ私も24歳と若かったため、若さが垣間見える場面は少なからずあろうかと思いますがご了承ください。
16日目。南米の観光地といえばまずここ、というべき圧倒的知名度を誇るマチュピチュに向かいます。
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2012年3月18日
「マチュピチュ」
今日はいよいよあの超有名な天空都市、マチュピチュに向かう日だ!!!
4時半起床だが、二度寝してしまい(予定調和)、5時20分頃まともに動きだした。
Kから「O(俺)起きてる!?」との一言があって、ようやく寝ぼけ眼から目が覚めたって感じ。
大急ぎで朝食を食べて(南米に来てから非常によくある粗末なパンスタイルの食事)、大急ぎで準備をして荷物をまとめて、荷物をフロントに預けて、いざマチュピチュへ出発!!!
川を越えたところにあるバス乗り場でバスに乗り、30分程でかの地に到着!
そしていよいよ中に入ろう…としたら、何とパスポートがいるという。
ぐぇ…パスポート、宿に置いてきてしまったぞ…。
大いに焦り、最悪入場拒否されることも覚悟しながら恐る恐る入口に行き、「Sorry, I don’t have passport.」と説明すると、「Student Card?」と言われ、何と国際学生証でも入れることに。
いやー助かった…。
内部に入ると、荷物を見られ、ペットボトルはいいがこの食べ物はダメ!と、菓子類の入ったビニール袋を預けさせられることになった。
まぁ無料で預けられたのでよしとしようか(交番みたいな感じのところに)。
そしていよいよマチュピチュを拝む!
かなり曇っていて霧が凄く、見張り小屋の横のマチュピチュといえばこの写真!みたいなスポットからその全景を拝むことが出来なかったが、しばらく粘っていると時折霧が薄くなるのでその瞬間を狙って撮影!
続いては、断崖絶壁にある丸太の橋、インカの橋へ。
これもまた霧のお陰で結構な曇りっぷりで断崖絶壁の下が見えなかったが、それがかえって恐怖感を増していた。
逆に、晴れて下の全景が見えるとそれほど怖くは無い(とはいっても高所恐怖症の人はひとたまりもないだろう)感じだったが。
霧のお陰で激しく動いても、適度に体がひんやりしていて快適。
あんまり晴れて欲しくないものだw
…と思っていたら、10時からのワイナピチュ登山に向けてゆっくり登山道入口へ向かいつつ、ゆっくり歩いていたら、どんどん晴れてとんでもなく暑くなってくるではないか!!!
ぐえぇ…。暑い。
市街地に入り、石切り場、神聖な広場、3つの窓の神殿、主神殿、インティワタナ(日時計)と見て、いよいよワイナピチュ登山が始まる!
片道1時間、高低差250 mという登山。果たして。
感想:メッチャキツいwwwww
標高2,400 mの酸素の薄さを痛感させられる凄まじいキツさ。
250 mだけれども、どこも急勾配で、本当に1段1段が重い。
まぁ私は体力は自信があるので、お姉さん方を置き去りにして登頂してしまったが。
Kはまぁ割と早く私のところに来て、頂上で撮影をお互いし合った。
そして私は、ワイナピチュ頂上から月の神殿へ向かうルートを選び、スタスタと歩いていく。
これがまた失敗だった…。まぁ良いところだったけれども。
月の神殿へ向かう道は下りだが、例によって急勾配で非常に辛い!
膝への負担が半端ないが、時間が大事だし、そもそもワイナピチュ登山開始前からかなり空腹だったので、さっさと戻って昼食をとりたいところ。よって全速で下る。
40分かかる、と看板に書いてあったが、私は20分程度で下り、月の神殿に到着。相当のハイペース。
そして、途中でかなり長い梯子があり、落ちたら深刻にやばいと思ったので、泣く泣く手元を空けるため、ペットボトルを梯子の横に置き、「帰りに拾いに来よう」と思って梯子を下る。
これが決定的なミスとなるのだがw
月の神殿に向かい、アルゼンチン代表のホームユニの男とアウェイユニの男2人とちょっと話をして、写真を撮り、撮ってもらい、少し中をふらふらして帰ろうとすると、順路を示す看板は元来た道とは逆方向を矢印で指している。
…?どういうことだ?
と思いつつ、1h30minという萎え要素抜群の看板を目にし、これから行く道の相変わらずの急勾配(しかも上り)っぷりを見て気力は最低になるも、本気を出して急ぐ。
お姉さん方はどうしているか知らないが、今から速攻で戻れば、月の神殿来ないルートのお姉さん方と合流できるかもしれない。
月の神殿を11:36頃に出発し、最初こそ順調に進むが一気に疲労が来る。
昼食も食べていないし、もう水も無い。
体力は尽き果て、途中何度も座り込みながら進む。
そして何とか12:20頃、看板の半分の時間でワイナピチュ登山道入口へ帰還。
登山道入口には名前を書いて入場者を管理する帳簿があるのだが、お姉さん方はこの時点でまだ帰還していなかった。
…まさか、月の神殿に向かっている?
…とはいえ人の心配をしていられる程の体力は無い。もう既に限界だ。
貴族の居住区、技術者の居住区、コンドルの神殿、庶民の居住区、王の別荘、16の水汲み場、陵墓、太陽の神殿、王女の宮殿と巡り、最後にまた定番の見張り小屋横でマチュピチュ全景を撮影。
そして、3つの窓の神殿ってのを見たのかどうなのか怪しくなったので戻り、「ああやっぱこれだったか!」となって、もう見尽くしたと思い、マチュピチュを後にする。
しかし、天体観測の石を見逃していたことにたった今気付いたのだが、もう今はラパスにいるのでどうしようもないw
ふぅ。疲れた。疲れたとしか言葉が出てこない。
お姉さん方を待ってお別れの挨拶をする余裕もなく、帰りのバスに乗り込み、マチュピチュ村へ。
真っ先にビール620 mlの瓶を買い、土産の栓抜きで開けて飲み干す。
そしてホステルに戻り、時間的に温泉に行くのがやや厳しい感じだったので(14時半頃、16時13分駅集合)、仕方ないので今日かいた汗はトイレの洗面台で流す。
何とも適当な方法で身を清め、今日消費したカメラのバッテリーをホステルの電源で充電させてもらい、これからのウユニに備える。
恐らくこのタイミングを逃すと、バッテリーを充電する暇は無いw
そしてすべてを完璧にして、マチュピチュ村を去る。
最後に水とビールを買って、帰りの電車内で飲む。
…帰りの電車はビスタドームと聞いていたが、行きと全く一緒だったwww
青い車体、ちょっと天井に窓があり、外が幅広く見渡せる。そして、茶色い子袋に入った軽食(と呼べるのか怪しいくらい少量の菓子)が渡される。
うん、まさしく行きと同じだ。
というわけでそんな電車でオリャンタイタンボまで移動。
オリャンタイタンボからクスコまでは、本来今電車が運休しているので各自で移動しなければならないが、今回は運良くペルーレイルがバスを出してくれるとのことで、それで移動できた。
しかしこのバス内にて…
ちょっとウトウトっとして目が覚めると、猛烈な吐き気と便意が…うおおおおおおお苦しすぎるぞ!
ビール620 ml×2本はマジでキツいwこんな時に飲み過ぎたw一緒にとった食べ物はいわゆる菓子であり、まともな食事でもないのも一役買ってしまっているかもしれないが…
どうしようもない。
最悪の場合に備え、手持ちのビニール袋を1袋空にし、口元に持ってくる。
…しかし今日の極度の疲労が幸いし、そんな苦しい苦しいとやっている間に眠りについてしまった。
軽く酒で酔ったところへ、このデコボコ道で車体がガタンガタン揺れる、そんな最悪のケースも難なく(?)乗り切り。
とはいえ、10分程度地獄の時間が続いたわけで、この時の時の流れの遅さったらない。
そして無事クスコに到着し、真っ先にトイレに行って大便して、タクシーを探す。
バスターミナルへさっさと移動しなければならない。
バスターミナルを出ると、例によって「アミーゴ、タクシー?」と質問され、いつもは大概シカトか首振ったり手を振ったりで追い払うのだが、今回ばかりは即答。
そして、バスターミナルというと、10ソルという。こやつめ…
5ソル!というと、7ソル!と言ってきたが、こっちが6ソルと譲歩するとそれで決定。
車に荷物を載せ、乗り込む。
しかし、車は見覚えのある太陽の神殿の横を通り、メインスクエア(アルマス広場)へ到着し、「Left or Light Side?」と聞いてくるではないか!
NoNoNo!Bus terminal!というと、運転手もやらかしちまった…みたいなちょっと機嫌損ね気味の態度になって、それから全く逆方向に進み(やっぱりw)、バスターミナルに到着。
しかし、私はここで小銭は殆どなく、20ソル札しかなかった…。
運転手にそれを出すと、今はこれしかないということで、
10ソル札+50センティモ×4+10センティモ×3
を提示された。
12.3ソル…。
時間をかけるのもアレだし、もう1度市街中心を拝ませてくれる演出もあったので、まあいいや、OKOKと言ったら、「Gracias アミーゴ!」と握手を求められたw
やっぱり7.7ソルはクソ高いわなwwwおうよ!
まぁ、こっちもペルー滞在中1度も拝めなかった10センティモ硬貨を3つも入手出来て、いい記念になったよ。
というわけで最後に写真を撮らせてもらってバスターミナルへ。
見覚えのあるペン欲しがり勢のおばちゃんがいて、例によって「アミーゴ、ペン!」などと、しきりに売ってくれだの交換してくれだのという攻撃、もとい口撃が始まるw
私はチケットを提出しつつ応対w
インカコーラを飲みまくるインカコーラおじさんが、しばらくするとバウチャーではなくちゃんとしたチケットをくれて、バスターミナル使用税なのか何なのか知らないけれどもTaxを払いに行く。
そして10時半頃。
ペン欲しがり勢のおばちゃんが、乗り込みが始まったということでバス乗り場まで案内してくれて、アディオースとお別れの挨拶。(+逃げられかけたけど写真撮影)
てなわけで、私のペルーの旅はひとまず一時中止。
ボリビア、ラパスへ戻りウユニへ行く旅が始まる!
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