2012年3月、大学院の修士課程を卒業して、いよいよ社会に飛び立つという直前の最後の春休み、「最後のモラトリアムを満喫しよう」ということで選んだのが南米への旅でした。
私の人生でもっとも楽しかった旅の記録を、当時の興奮・感動がそのまま焼きついた、旅行中に執筆した文章をそのままに公開いたします。
楽しいことはもちろん、今となっては笑い話ともいえる失敗談まで包み隠さず書いています。
なお、当時の文章をそのまま公開する都合上、時制は2012年3月当時であり、かつ私も24歳と若かったため、若さが垣間見える場面は少なからずあろうかと思いますがご了承ください。
6日目。これまた、南米ってこんなとこ!を痛感させられるハプニングの日です。
***
2012年3月8日
「南米クオリティwwwwwww」
いやー今日はハイパー恐ろしい(犯罪的な恐ろしさではないが)ものを実体験した。世界は広い。
朝。
昨日の日記の通り空港泊真っ最中。しかも、たまたま3日の夜に上野山荘で共に過ごした女性と合流したのでともに空港泊することに。
そして例によってベンチで完全に熟睡していたところを、6時頃お別れの挨拶で起こされ、ありえないほどの寝ぼけ眼で握手をした上でさようなら。
それがきっかけで目が覚め、私も9:25~のフライトにチェックイン。
そして、アルゼンチンの出国審査を終え、いよいよボリビアインする。
…ためのフライトが遅れたwwwwwwwwwwwwww
まぁ遅れは1時間程度なので特別厳しいわけではない…という具合にいけばいいのだが、世の中は厳しい。
今日の予定は
ブエノスアイレス(9:25)→サンタクルス(11:30)
サンタクルス(12:45)→ラパス(13:45)
なので、1時間の遅れはラパスへの便を逃すことを意味するのだwwwww
で、当然のようにラパス行の便はこの遅れに合わせて待つなどという融通は利かせてくれるわけもなく、私がサンタクルスに到着し入国審査を終えた12:45ピッタリに発っていった。
…まあ仕方ないだろう。
ブエノスアイレスを出る前から分かり切っていたことなのである程度冷静にいられた。
まずは英語すらまともに通じないカウンターでいろいろ交渉。
本来私をラパスへ連れて行ってくれるはずだったAeroSue社は、もうその便は行ってしまったからもう諦めろwと言わんばかりにわたしの旅程控えに×を打ち、Aerolineas Argentinas(遅れを生じさせた諸悪の根源、アルゼンチン航空)のカウンターへ行け、と言ってきた。
アルゼンチン航空のカウンターには私の他にも同様の被害に遭った外人がいて、私も便乗して困った顔をしつつ、次の便を逃してしまった、どうしてくれる?と問い合わせ。
ちょっと待ってくれと言われ、私のパスポートを持って行き数分後。
「代わりの便を取ったからそれで行ってくれ。本来と同じAeroSue社だ。出発時刻はセブンピーエム」
セブンピーエム!?
耳を疑ったが確かにそうらしい。
空港によくある、行き先とか時刻とかが書かれたボードにはもっと早い時刻の「LA PAZ」があるのに、何故そんなクッソ遅いやつにするんだよー…
まぁもうそれは南米クオリティだからしゃあないと思って完全に諦めた。
大人しく従い、AeroSue社で19:10発の便にチェックイン。
予定では今日はラパスの日本人が経営する宿に宿泊予定で、迎えにも来てもらうことになっていたのだがどう足掻いてもその時刻にはラパスの空港に着けないので、電話をしなければならない。
一応空港内には、どこでテレフォンカードを手に入れるか知らないが、カード式の公衆電話がある。
しかし、もとはといえばアルゼンチン航空の過失でこのような事態に陥ったのだから、それに関しても責任を負ってもらうべきだと判断。
アルゼンチン航空のカウンターに行き、ホテルに連絡を入れなければならないから電話機を貸してほしいと頼んだ。
すると要望は割とあっさり通り、何とパスポートと引き換えにカードを渡され、カウンター裏のオフィスへ入る権利とともに電話をタダでできることになったwww
うお、なかなか貴重な体験!
空港内のオフィスに侵入なんてなかなかできないぞ!
というわけで中に入って電話。
日本人経営の宿なので、当然のように私は流暢な日本語で話を始めるが…
女性の声「Can you speak English?」
へ!?
くそ焦った。電話番号を間違えたのかとも疑ったが、一応それらしいことを言ってくる。
恐らく経営者の妻なのだろう。そうに違いない!
とりあえず、本来乗るはずだった便が遅れて、19時発になってしまったから、21時頃到着する旨を伝えた。
これでよし、と。
仕方が無いので、切り替えて今日はサンタクルスを観光することにした。
トラブル対処等々をしていたら、時刻は14時半を回っていた(南米の航空会社は真昼間にも関わらずカウンターにスタッフが1人もいない時間がザラにあるw時間かかるわそりゃw)。あまり時間が無い。遅くても18時半には戻らないとまずいし。
とはいえ、空港で4時間もアホみたいに貴重な昼間の時間を浪費するのは嫌だったので、空港の前に停まっていたミニバスらしい車両の運ちゃんらしい人(本当に誰が運ちゃんなのかさっぱり分からんw)に話し掛ける。
次々と乗り込んでいた乗客から、1人がお金を回収し始めたところで、誰が運ちゃんらしいかということが分かった。
街の地図を見せ、この辺りに行く?と質問すると、「行く」との答え。OK!
かくしてサンタクルス観光がスタート。
すると、車内で横に座っていた女性に話し掛けられた。
ミシェリさんというペルー人らしい。英語がやたら上手い。
いろいろ話しているうち、お互い昼飯を食べていないし、それも含めてこれから街を案内してくれることにw
案内というより、私が限られた時間で行きたいと思っていたカテドラルと、ロス・ポソス市場に向けて先導してくれたw
ペルー人だけれども、この辺りに現在滞在中で、ある程度土地勘はあるそうである。
カテドラルのすぐ前にあるレストランで昼食をとることにした。
実はカテドラルには、博物館も併設されているらしい。
まぁ、よくわからないし時間もそんなにないからいいや、と思って一旦は見ずに戻ってきたが、レストランに入って地球の歩き方を見てみると、何とこの中には数ヶ国語で「主の祈り」が書かれた、親指のツメ本程度の本があるという。世界最小級の本とのこと。
それは是非見てみたい、と思いミシェリさんに話したら、「注文した食べ物が出てくる間に行って来なよ」。
あざっす!!!行かせてもらいます!!!
女性一人を残して博物館へダッシュとは何ともひどいことをしたが、ここまで来たからには見ておきたいだろう。そして今は時間が惜しいのだ。とにかく時間が。
そして、小さい本はどこにあるのか最初分からず、博物館のスタッフに聞いて「2Fだ」と言われてようやく発見できた。2Fとかあったのかwしらねーw
本は確かにメチャクチャ小さかった。
定量的に大きさを言うと、5 mm×5 mmの正方形に近い形で、厚みは4 mmくらい。
ゲージの中に大切に保存されているから、詳細は分からないけれども見た感じ多分そんなくらい。
後に知ったことだが、このカテドラルの博物館が開いているのは火・木・日の僅かな時間のみ(昼の部2時間、夜の部2時間)。非常にラッキーだった。
そして見るものを見たらさっさとレストランへ戻る。
私が戻ってもまだ食事は出てきていなかった。ちょっとして出てきたので、いざランチタイム。
▲ミシェリさん。英語がマジで上手いと思ったら、ずっと空港のスタッフとして働いていたそうだ。流石…そうだよなぁ。明らかに慣れているし。それから27歳らしいw
食事は例によって結構固いビーフのステーキ。
「固い」という形容詞を付けなくて良いステーキが南米滞在中に食べられるか。
あるいは、私の歯がヤワすぎる疑惑が出てくるか。
その後はロス・ポソス市場へ。
…と、そうこうしている内に時刻は17:30。
そろそろ空港へ戻らないといよいよまずいことになる。
スペイン語が分からない私に代わってタクシーと交渉して欲しいと頼むと快諾してくれたミシェリさん。
市場観光後、タクシーを見つけて話をしてくれた。
丁度その時、スコールが降り始め、雨季を実感。
雨の中、運ちゃんとわけのわからない言語で交渉して下さる。いやー本当にありがたや…。
何か、タイ旅行を思い出すなぁ。
あの時も、タイ語なんてさっぱり分からんけれども、日本語が超上手いマヤさんという女性に空港までのタクシーでボられないように交渉してもらったっけ。
最後にハグとともに握手をして(笑)、夜Facebookのアカウントを知らせるメール送りますと言って、ミシェリさんにさようなら!
ありがとうございました。本当に感謝しています!
そして、やたら陽気なおっちゃん、名前は知らないが、とりあえずロドリゲスということにしておこう(適当)の運転するタクシーに乗り込む。
TOYOTA車。このタクシーに限らず、ボリビアは日本車ばっかだw
▲ロドリゲス(仮)の運転する車www
フロントガラスにヒビが入ったタクシーなんて、今のところ南米では2分の2(もう1回はアルゼンチンにて)の確率なのでよくあることだが、ワイパーもクソ性能で、猛烈なスコールに全く対応できていないwwwww
念の為言っておくが写真の撮り方が悪いのではなく、肉眼でもガチンコでこんな見え方であるwwwwwよく運転できるなこんなのwwwwwクソ怖いんだがwwwww
で、ロドリゲス(仮)はいろいろ陽気に話し掛けてくる。スペイン語講座も始まったw結構面白い車内だったw
そして、今はこのスコールで結構危険だから値段が高くなる、みたいなことを言ってきたように聞こえた。よく理解出来なかったが多分そんな感じ。
天候で料金が変動するタクシーなど、日本では聞いたことがないが、まぁ仕方が無い。
実際スコールの中をクソワイパーで走るってのは結構貴重な体験だったし、私が持っていた破れた袋を見てササッと新しい袋をくれたり、コカインの葉を見せてくれたり(ボリビアの名産)、普通に面白かったりとサービス良かったので、当初ミシェリさんが交渉の時に聞いてくれた時の額は60ボリビアーノだったが100ボリ(それでも約1,200円)くれてやった!!!
うん、まぁロドリゲス(仮)になら自らボられてやるよ!!!サンキュー!!!
▲ロドリゲス(仮)に最後に写真を撮らせてもらった。撮った写真を見せたら、「Champion!」と言い出したwこの迫力ある姿はチャンピオンだとでもいうのかw
そして、空港。
ここで最後の南米クオリティが炸裂する。
私が搭乗する、211便の搭乗が19時直前になっても始まらない!?
やばい、何故!?確かに1番ゲートだろ!?と1番ゲートの前で待つが、他に客はおばあちゃん1人だけ。
まさか…と思って空港スタッフを必死で探し、聞きに行くと…
「delay」
…聞き間違えなのか何なのか。え?また?
よくわからんから、案内板で確認だ。
▲DEMORADO(=遅延)wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
***