この記事に辿り着かれた方は、もしかするとまさに今ゲレンデでスマホを紛失され、Googleに「ゲレンデ スマホ 紛失」等の問いかけをされた方ではないでしょうか。
私は本日2022年2月9日、まさにあなたと同じような境遇に至ってしまいました。
身をもってその辛さを痛感するとともに、初動の重要性を認識させられましたので、ここに記録として残します。
本記事が何らかの参考・気休めになれば幸いです。
プロローグ
私の住む新潟県上越地方は週末から昨日にかけて雪が続いていましたが、今日は降水確率10~20%程度ということで、これはこれは絶好のスノーボード日和になるだろうと予想されていました。
そんなわけで今日は年休を取って仕事を休み、過去にONI割(※去年・今年と新潟県が実施している、リフト券が半額になる素晴らしい割引)でリフト券をゲットした妙高杉ノ原スキー場に行き、思い切り滑ってやろうと意気込んでいました。
…この時は、9年前に左足首を大怪我した日レベルの忘れられないスノーボードの日になるとは知る由もなく笑
そして今朝は7時過ぎに起床して、昨日のうちに車に積み込んでおいた板とともにいざ出発しました。
8:40頃現地に到着し、平日ながら天気が良いということでなかなかに並んでいる人が多いリフト券売り場に私も並びました。
ONI割の引き換え用QRコードを使ってリフト券をゲットします。
同様にONI割でここを訪問した先月同様、身分証明書とワクチン接種証明を求められましたが、まあそんなものは慣れたものでした。
好天の中での滑走
リフト券をゲットしたら早速、売り場からゴンドラまでの肩慣らし区間をいつも通り軽く滑ってゴンドラ乗り場に向かい、青空が広がり雪景色が映える空中散歩を楽しんで頂上を目指します。
う~ん、いい天気!!!
ゴンドラの頂上に到着したら、これまた美しく雪化粧した林が出迎えてくれました。
神秘的なまでの美しさ。青と白のコラボレーションってどうしてこう最高なんでしょうね。
そして下界を見渡せるポイントからは、野尻湖や近隣の山々を望めるこれまた素晴らしい景色が!
これから平日の昼間に会社を休んで滑るという背徳感とともに気分を高揚させてくれる素晴らしい好天に恵まれ、いざ滑走開始!
そうしていい気分で滑り出したら、まずはこの妙高杉ノ原スキー場の頂上まで行く第三高速リフトが動きだす9:30までの時間調整のため、三田原第2高速リフトのエリアで滑ることにします。
1回滑って三田原第2高速リフトで上がったらいい時間になったので、三田原第3高速リフトを目指しました。
ちなみにこの時点で、先月来た時に感動したパウダースノーのパーフェクトコンディションと比べると、今日はそれに程遠いことに気付いてしまいました。
昨日、私の住む上越市の沿岸部は雪が降っていたんですが、どうやら山の方は降っていなかったということでしょうか。。。
とまぁ、思ったようなコンディションではなく、少々残念ではありましたが、代わりに今日は天気が最高です。
遥か北アルプスの白馬岳・白馬鑓ヶ岳・五竜岳といった名峰を望める素晴らしい眺望には感動を覚えました。
時折コース中で停止してiPhoneでつい撮影をしてみたり。
いやはや、本当に美しい。
ちなみに1日を通して常に青空かというとそうでもなく、一時的にではありますが数十m先も見えなくなるような雲に包まれて、「これは今日は終わったか??」と感じる時もありました。
しかしそういうガスりも本当に一時的で、概ねこんな良好な景色が楽しめることが多かったです。贅沢過ぎる。
一時的にガスってきた時は仕方ないので一番下まで降りて休憩タイムです。
年末年始に帰省した際に母からオススメされたCoke
ONアプリで貯めた1本引き換えチケットが使える自販機がちょうどいい具合にゴンドラ乗り場近くの休憩所に置かれており、ありがたく無料ドリンクをゲットしていろいろ順風満帆でした。
…この時までは。
突然の絶望
これまで散々書いてきた通り、天気は最高でした。
登山にハマりだした身としては、とにかく北アルプスがここから見えるというのはたまりません!
三田原第3高速リフトに乗っている最中、そのリフト降り場すぐ手前からの景色が特に最高で、フードつきのリフトから腕を伸ばしてこ~んな写真を思わず撮ってしまうほど、とにかくテンションが上がっていました。
そして上記の写真を撮影し終えたら急いでポケットにiPhoneをしまい、非圧雪の上級コースである「スーパージャイアントコース」に向かいました。
一番斜度のキツい核心部は私の腕ではまともに滑走できるわけもなく、木の葉で何とか下ったわけですが、それ以外はなかなかに楽しめるいいコースでした。
ちなみに、核心部の後半は今日はコンディション不良でCloseされていて、中級のしゃくなげコースに合流する連絡路に強制的に案内されました。
…という滑走を終えて、一息ついてちょっとiPhoneを…と思ってポケットに手を伸ばしてみると、あれ…!?あれ!?!!?
iPhoneが無いではないか!?
一気に焦燥感に襲われましたが、ピンチの時こそ冷静に。
紛失までの経緯を脳内で再生し整理すると、当然以下のようになります。
さっきリフトを降りる直前に北アルプスを撮影して、今いるこの場所で紛失していることが確定となれば、当然落とした場所はスーパージャイアントコース、連絡路、連絡路以降のしゃくなげコースに限定されるわけで、この(多少)狭い範囲に絞り込めたことで多少気が楽になりました。
上から下まで一気に滑った直後、休憩しようとした時に気付いた、とかだったら最悪ですけどね。
そして範囲がだいぶ絞り込めたことに楽観的になりつつも、やはり多少うろたえていたのでしょうか、本当なら三田原第3高速リフトをループしたかったところ、間違えて三田原第2高速リフトまで下ってしまうというミスがありつつも、無事に頂上に到着して、改めてスーパージャイアントコースを捜索開始です。
上級コースに入ったはいいものの、板を外して歩いてiPhoneを探す私は、リフトから他の人にどう見られていたのでしょうか笑
イキって上級コースに来ちゃったけど、明らかに無理を悟って必死で徒歩で下山しちゃっているカッコ悪い人(笑)みたいな感じですかね。
ただ、もうこうなってしまったら、カッコ悪いだのダサいだのと、そんなことは全く関係ないわけで。背に腹は代えられぬ。
真っ白な雪の中でiPhoneが落ちていれば、流石に慎重に歩いて探せば分かるだろwwwみたいな楽観的考えの下臨んだ第1回の捜索。
「余裕で一発で見つけて、お腹も空いてきたし疲れてきたし、そろそろ切り上げてランチにでもするかな~」などと思っていた中で、何と結局終わってみればまったく見つからず!!!
これはいよいよ本当にやばいかもしれない。。。
そう思った中で、この後さらに2回このコースを上から下まで捜索するも、とうとう見つからないわけです。
遺失物届出・ラストチャレンジ
どうにもならないため、一旦下界に降りて、リフト券売り場にて遺失物届出をしました。
ただ、今日は三田原第3高速リフトが諸事情により通常より短く、14:00で営業終了となります。
当然このリフトが動かないと紛失現場には行けないわけで、他のスキー客の方に見つけていただける可能性もゼロとなるわけです。
届出を出したところで可能性は低いですが、念のため。
スマホを失って時刻が分からなくなっていた私はここでスタッフの方に聞いてみると、13:20とのことでした。
最後にスマホを握っていた時は11時台だったはずなので、1時間半近くこうして探していた事実に気付きました。
残り時間的に、三田原第3高速リフトに乗れるのはあと1回。
帰るかどうするか悩みましたが、結局一縷の望みに懸けてもう1回だけ現場に行くことにしました。
…そして、収穫はなく絶望しました。
リフト券売り場のスタッフの方から、「帰る前はレストランアスエリカ1Fにあるスキー場事務所を一応尋ねてみてください、貴重品はそちらに届けられますので」、と言われていましたが、まあ当然のごとく「今日はそのような物は届いていないですね…」との聞きたくなかった回答を受け、とぼとぼと帰路につくのでした。
車に到着して片付けをしてエンジンをつけると、(Bluetoothで車が接続できなかったことから)「携帯電話が見つかりませんでした。携帯電話を忘れていませんか?」とのアナウンスが。
忘れていません。失くしました。
光明
何ともいえない絶望感を感じつつ、とはいえ何かしらの打開策は必要なので頭でいろいろとこれからの立ち回りを考えつつ、車を走らせて自宅を目指します。
まず、iPhoneを使っていたということは「iPhoneを探す」機能での捜索が最有力。
ただし、最後に使っていた時点で、電池は50%以下。
そして雪山のような気温の低い環境下ではバッテリーの持ちは悪くなるうえ、降雪があったりコース整備されるとそれこそ場所が本当に分からなくなるため、もし今でも電波を拾ってくれているとしても急がないとまずい。
…何らかの手段でとにかく場所を特定できれば。。。やっぱり、帰るしかないか?
こんなんだったらMacなりiPadなり持ってくれば、道中のコンビニ等でWi-Fi拾って調べられるから良かったのにな…。
これは明日も仕事を休んで朝一で捜索か…?
ただ、明日は昨日の時点で公式サイトにて
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2月10日(木) 三田原第3高速リフト運休のご案内
2月10日(木) 三田原第3高速リフトは、連日の降雪によるリフト路線下の排雪作業のため運休とさせていただきます。
あらかじめご了承くださいませ。
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ってな案内が出ていたし、スキー場に辿り着いたとしても捜索はある程度徒歩頼みになるか、下手したら徒歩もNGかも…?
そもそも誰かに盗まれているかもしれないし、あるいはカービングターンで破壊されているかもしれない。
こりゃもう諦めることになるのか…?
最悪の展開すら頭をよぎりつつ、今後の対応検討に気が滅入りそうな道中、少しでも気を紛らわせるために、関山駅近くにある行きつけの酒屋「十二屋」にぷらっと寄りました。
ここは店主の息子さんがいろいろとクラフトビールを仕入れていて、その種類の豊富さからお気に入りとなっており、最近よく訪問しています。
今日はそんな中で店に入ると、まさにその息子さんが店番をしていました。
私の格好を見て「ゲレンデ帰りですか?」と聞かれたので「そうです。…ただ、スマホ失くしましたww」と返したのち事情を説明。
彼が使っていたノートPCを少しお借りして、「iPhoneを探す」機能で所在が掴めないかテストさせてもらえることになりました。ありがとう!
そして「iPhoneを探す」を使って早速見てみると…?
なんと、今でもスーパージャイアントコースらしきゲレンデ上部に眠っていることが判明!!!
ただ、この時点では背景を変えられることを知らず、通常のマップで閲覧していたため、スキー場内なんてものは一見まったく目印のない山中真っ只中。
「これだけで見つけるのは至難の業じゃないですか?w」と息子さんに言われてしまうような有様だったけれども、現在位置の更新状況は「たった今」となっており、少なくとも現時点で誰にも盗まれておらず、また破壊されていないことが確定しただけでも有難い!
これは可能性が見えてきた!!!
お礼とばかりに「ヤケ酒用ですw」とクラフトビール3本を購入したら急いで自宅を目指します。
問い合わせ
帰宅後、改めて自分のPCからiPhoneを探し、バックを衛星画像に切り替えられることに気付きました。
そして見てみると、見事なまでにスーパージャイアントコースの中間地点くらいにあることが分かりました。
▼広域
▼詳細
ここまで分かったらあとは問い合わせるのみ!
急がないと整地の車に轢かれて破壊されてしまう可能性もあるので、急がねば…!!!
iPhoneを落とした身、今はスキー場に電話しようにも一苦労ですが、寮の電話機を貸していただけることになり、早速スキー場に電話です。
XXX「はい、妙高杉ノ原スキー場です。」
…推定40-50代くらいの、ちょっと弱気そうな男性の声だった。
何となく嫌な予感が。。。大丈夫だろうか?
私「本日、iPhone紛失の件で届出をいたしました岡田と申します。帰宅後に改めてパソコンから紛失したiPhoneの現在地を確認したところ、正確な場所が分かりました。衛星画像の中でどこにあるかというものを示したものをメールにてお送り致しますので、それをもとに探していただくことは可能でしょうか。」
ハキハキした若い声が相手だったら、「iPhoneを探す機能で場所が分かりまして。スクショで場所をお送りしたいのですが。」とかで一発で伝わるだろうし、間違いなくそう話しただろう。
iPhoneを探すとか、GPSとか、多分そんなことを言っても伝わらないだろうと即座に判断して「衛星画像の中でどこにあるかというものを示したもの」という表現を使ったわけだが、ただ、このお電話の相手には伝わっているか、果てしなく不安だった。。。
XXX「えーと、あの、そのー…ちょっと待ってくださいね。(しばらくの保留音)今、見回りに行ける現場の者がいなくてですね。。。困ったなあ。整地が入っちゃうとアレだし…。あとで折り返すので、電話番号を教えてもらえますか?」
私「電話を失くしているので連絡を受けられる電話番号がない状況なんです。今お掛けしているのも、借りている電話機なものでして。メールであれば、ご連絡をいただいてすぐに返事できますし、正確な場所の情報もお伝えできるのですが。」
XXX「あー、えーと…ちょっと待ってくださいね。(しばらくの保留音)…何とか電話の準備はできないものでしょうかね…?」
私「電話は準備できないですね。。。それ自体を失くしてしまっているので。メールにてご連絡させていただけないでしょうか。」
XXX「あー…あのですね。多分、現場と直接話していただくのが良いと思いますので、現場とお繋ぎします。何番にかければよいでしょうか?」
…この時点で、きっとこの電話の主は「めんどくさい電話が来たな…そんなのは現場と適当にやってくれ」くらいに思っているのだろうと思われた。
頑なにメールでの連絡を拒むのには何か理由があるのだろうか?
私「すみません、現場の方と直接お電話させていただいても、言葉で場所を説明するのは難しいです。現場の方に言葉で場所を尋ねられても、私はゲレンデの詳細を隅々まで覚えているわけではありませんので。メールであれば、衛星画像の中でどこにあるかというものを示したものをお送りできます。恐らくスキー場は公式ホームページをお持ちなので、そのようなものの管理をされていらっしゃる方であればどなたかはメールアドレスをお持ちかと思います。その方にメールをお送りさせていただけないでしょうか。」
これはもはや当たり前である。
ゲレンデの中なんて
こーんな景色や
こーんな景色ばっかなのです笑
雪と木と起伏しかない世界。
言葉で「ちょっとした膨らみがある場所です」「コース中に木があるところです」と言ったって、多分そんな言葉に合致する場所は山ほどあります笑
目立つブロックなり一本杉なり、ちょうどよい目印があればまだマシですが、そんな丁度よいことなどあるはずもなく。
それより、百聞は一見に如かず。
ただ、手元のスクリーンショットを見てくれ!!!どうして分かってくれないんだ??
決定的な証拠があるのに受け取ってもらえないこの状況。
この時点で私の中で電話の声の主のイメージは、機械音痴で要領の悪い意地悪おじさんというになっていました…。(酷過ぎますがすみません笑)
この時点で焦燥感に加えて徐々に内心苛立ちを感じつつも、あくまでこっちは捜索を依頼する身。
ここでこの意地悪おじさんの機嫌を損ねては、
「もう今は忙しくて現場も対応できませんので。紛失に関しては自己責任となっておりますので、場所がお分かりであれば明日ご自身で来られて探してみてはいかがでしょう?」
とか言われてしまいかねない。。。とにかく下手に出て、お願いするしかない。
XXX「ちょっと待ってくださいね。(しばらくの保留音)あー…。ちょっと待ってくださいね。(しばらくの保留音)じゃあ、私のメールアドレスをお伝えしますので、メモ取ってもらえますか?」
よっしゃああああああああああああああ!!!!!
やっと、やっと伝わった!!!やっと、場所のスクショを受け取ってもらえる!!!
XXX「xxxxxxxxxx@princehotels.co.jp」です。
iPhoneを探すの真骨頂
かくして、その教えていただいたメールアドレスに、急いで先ほどのスクショを送付することとなった。
意地悪おじさんの名前はWさんというらしい。
***
送信日時:2022/2/9 16:16
From:私
To:Wさん
W 様
お世話になっております。
先ほどお電話いたしました紛失場所ですが、添付の場所となります。
ご迷惑ならびにお手数お掛けし大変申し訳ございませんが、
何卒よろしくお願い申し上げます。
岡田
***
ここからは思わぬ展開となった。
また意地悪おじさんおことだから、「これだけじゃちょっと分からない。」とか何とかいろいろゴチャゴチャと言われるのかなと思いきや…。
***
送信日時:2022/2/9 16:19
From:Wさん
To:私
携帯電話を鳴らしてください。
***
え!?
機械音痴で要領の悪い意地悪おじさんから、たったこの1行の超的確なメッセージが!?
私の添付した画像を元に即座に現場担当を派遣していただいたうえ、iPhoneを探す機能に備わっている「サウンドを再生」機能について言及されるとは…。
音を鳴らす件については、多分若い現場担当から「音を鳴らすように依頼して下さい」と言われた結果だろうけれども、とにかく驚いた。
そしてそれからは、夢中で「サウンドを再生」ボタンを連打。
届いてくれ…!!!この思い!!!
祈るように「iPhoneを探す」を注視していた中で、16時26分…!?
これまで微動だにしなかったiPhoneの位置が、ほんの少しだけ動いた!?
上のスクショで、赤い小さなドットが微動だにしなかった位置で、そして東南東方面に微妙に位置がズレた。
GPSのブレはこれまでほとんどなかったが、何かのマチガイ?…であって欲しくないが…。
もしやと思ってさらに待つこと1分…。
単なるGPSのブレのレベルを超えた位置ズレ!!!
これは…来たか!?
さらにもう1分して…
明らかに人為的にコースを移動していると思われる位置の変化が!!!
そしてもう1分後には確信へと変わる。
ここで、Wさんにメールを送る。
***
送信日時:2022/2/9 16:30
From:私
To:Wさん
W 様
お世話になっております。
どうやら発見していただいたようです。
この度はご対応誠にありがとうございました。
1時間程度かかってしまうのですが、
これから取りに行ってもよろしいでしょうか?
岡田
***
これに対し、鋭い1行返信が!
***
送信日時:2022/2/9 16:33
From:Wさん
To:私
スキー場事務所まで、お越しください。(レストランアリエスカ1階です)
***
おおお!
まさかの今日中に本当に取り戻せるとは…。
Wさんと現場の方に、ただただ感謝。
***
送信日時:2022/2/9 16:36
From:私
To:Wさん
承知いたしました。
それでは、これからお伺いします。
17:30-18:00頃に到着いたします。
何卒よろしくお願い申し上げます。
***
その後、無事に下山してスキー場事務所に収まるiPhoneを確認できました。
というわけで、今日の天気のような晴れやかな気分で1時間のドライブです。
辺りはすっかり暗くなり、早朝の大量の車が嘘のようにひっそりと静まり返ったスキー場の駐車場に到着し、いざスキー場事務所に向かいます。
性格は顔に出る
事務所にて早速要件を伝えます。
私「本日、iPhoneを紛失した件で届出をしていた岡田ですが、発見していただいたようなので参りました。」
応対した2人の中年の男性が「はて?」といった感じなので、「Wさんという方とやり取りをさせていただいていたのですが。」と伝え、2人の男性がWさんに確認してようやく伝わった。
どうやら、情報共有はされていない様子でした笑
そして呼び掛けられて出てきた電話とメールの主、Wさんは…?
めっちゃくちゃ人の好さそうな素敵な(推定70代の)おじいさまでした。
この瞬間、夕方に電話している最中の様子が一瞬で脳内補完されました。
私が言っていることが、世代が違い過ぎて全く分からない中、あの手この手で現場担当にうまいこと捜索してもらえるように必死になって下さっていたに違いない、と。
やれ機械音痴で要領の悪い意地悪おじさんだのと人を疑っていた自分を心から恥じました。
目の前のこのWさんが、そんな意地悪などするわけがない。
その後受け取りに際して一筆記載して、無事に手元に戻ってきたiPhone。
Wさん「こんなジジイだからスマホとかそういうのは全然分からなくてね。今は場所が分かるんだね~。こりゃすごい。こんな難しい時代に生まれなくて良かった笑」
私「いや~、便利な時代ですけどね笑」
Wさん「それから、こっちが何も言っていないのにどうして『発見していただいたようです』って分かったの?」
私「ずっと位置情報を見ていて、それが動いたので分かったんですよ。」
Wさん「ひぇ~…。そりゃすごい。。。」
とまぁ予想通り世代の差こそ感じたけれども、本当に素晴らしい皆様に救っていただくことができました。
やっぱり素晴らしいスキー場ですね、杉ノ原は。
最後に、
「またおいで下さい!今度はなくさないように!笑」
と言われたけれども、重々注意いたします。
▼この手に戻ったiPhoneで撮影した最初の1枚。すっかり闇に包まれた事務所。
▼朝は人が並んでいたリフト券売り場はもちろん人っ子一人いない。
しかし、素晴らしい救出劇でした。
Wさんは先述の通り本当に性格が顔に出て優しそうな方で、本当にいい歳の取り方をされているなぁとしみじみ。
これで本当に性格悪そうな見た目の中年男性が出てきたら一生誤解は解けなかったかもしれないと思うと、やはり人間見た目が大事と思った次第です。
初動の重要性
最後にWさんに伺いましたが、スキー場の整地は夜に実施されるそうです。
Wさんが電話において最初の方に「整地」というワードを出されたのはそういうことだったようで、要するに1晩越すと整地が入るから、場所が分からなくなるなり、スマホ自体なりが破壊されるなりと一気に生還率が下がってしまうようです。
今回の私の生還劇は、運良く帰り道の早い段階でまだゲレンデにスマホが残されたままであることを確定できたうえで、帰り道で次の対応を考えつつ、帰宅後即座にそれを実践できたこと、これに尽きるでしょう。
スマホを紛失された方は、まず早い段階で場所を突き止めて、何とかスキー場のパトロール担当の方にそれを伝えるべく尽力しましょう。
リフト営業時間が終了しても諦めてはいけません。パトロール担当の方であれば動くことは可能です。
また、そもそもですが、紛失自体を防ぐ予防策も講じようと思います。当然ですね。
最後に
まさか、スマホの紛失からこんな体験をするとは思ってもいませんでした。
昼ごろお腹が空いたとか思っていましたが、それからまったく飲まず食わずで必死に動き回り、18時過ぎにいただいたねぎま丼は格別の味でした。
帰宅後にはヤケ酒ではなく祝杯を味わいつつ、Wさんに改めて御礼申し上げました。
***
送信日時:2022/2/9 19:43
From:私
To:Wさん
W 様
お世話になっております。
本日はお忙しいところiPhone捜索へのご協力、
誠にありがとうございました。
無事に本日中に手元に戻ってきて感激しております。
現場にてパトロール・捜索にあたって下さった方へも
よろしくお伝えいただければと存じます。
何卒よろしくお願い申し上げます。
岡田
***
随分と濃密で、良い社会勉強ができた1日のように感じましたし、結果論ですが今日スマホを紛失して良かったなとすら思います。
人生万事塞翁が馬。
スマホを紛失されて絶望されている貴方にも、良い結果が訪れることをお祈りしております。