2012年3月、大学院の修士課程を卒業して、いよいよ社会に飛び立つという直前の最後の春休み、「最後のモラトリアムを満喫しよう」ということで選んだのが南米への旅でした。
私の人生でもっとも楽しかった旅の記録を、当時の興奮・感動がそのまま焼きついた、旅行中に執筆した文章をそのままに公開いたします。
楽しいことはもちろん、今となっては笑い話ともいえる失敗談まで包み隠さず書いています。
なお、当時の文章をそのまま公開する都合上、時制は2012年3月当時であり、かつ私も24歳と若かったため、若さが垣間見える場面は少なからずあろうかと思いますがご了承ください。
13日目。昨日クスコの街に到着し、クスコを本格的に観光します。
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2012年3月15日
「クスコ絶対防衛線」
クスコ編2日間の日記を書いていたら、回線の不調によりデータ消失。
完全にやる気喪失したので、今は書き直しとかはしません。気持ちの整理をするか、それが出来なかったら永久に、か。
あー萎えた。今回は割と、自分自身の備忘録としていい感じに仕上がっていた中でのこれ。
何でこのクソ回線を把握していながら、本文をコピーした上で「入力内容を確認する」ボタンを押さなかったんだろう。自分の馬鹿さに泣ける。
「クスコ絶対防衛線(本番)」(上記でパーになった日記を翌日に頑張って書き直したものの途中まで)
(クスコからマチュピチュ村に移動した日の日記です。なので時制はだいぶ異なります。)
昨日、苦労して書いた日記がパーになる憂き目に遭ったけれどもめげずに再起。
やはり南米を旅するという非常に貴重な体験をしておきながら、それを記憶と写真のみに留めるのはあまりに勿体無い。
その時点での“自分の言葉”は非常に貴重な資料となるので、やはり是非ともやっておこう。
この南米旅行は、これまで行ってきた旅行とはスケールが違うので、行く前と行った後で価値観や考え方が少なからず変わってくるのは間違いない。是非とも記録しておこう。
■これまでの振り返り
まだ旅は終わっていない、最後に新月ウユニ塩湖というデザートが残っているけれども、既に終わりが見えてきた。
というわけでこれまでの経過を振り返ろう。
●アルゼンチン
ブエノスアイレスの治安の悪さを肌で体感。
そして、街歩きは文字通り全て徒歩で行ったことで、この都市にあまりに多くのゴミが散乱している様子が見て取れた。
発展著しい都市とはいえ、やはり日本と比べると完成度は大きく劣る点が随所に垣間見えた濃密な時間だった。
具体的には、先述の都市の衛生面や治安の他、決して規模が小さくない貧民街、紙幣の汚さ、乗り合いバス(コレクティーボ)の利便性(紙幣ではなくコインが必要)、航空機の当たり前のような遅延等。
悪いことばかり書いてしまったが、勿論裏を返せばいい具合に適当でその辺は素晴らしいと思った。私も適当なので、その辺は相性が良いかもしれない。日本は何かと窮屈過ぎる。
また、物価は基本的に日本並みに高いが、ビールはいい感じに安いのも見逃せない。素晴らしい。
また、人々の笑顔が印象的だった。私が旅行中に関わった人の多くがたまたまそうなだけかもしれないが、基本的に日本と比べて遥かに明るい表情をしていた。
●ボリビア
私が訪れたことのある都市の中で総合的に一番好きな都市ラパスを擁する国。
黄金の玉座に座る乞食(豊かな資源を持つが貧しい国であることを表現した言葉)の異名は伊達ではなく、私が「好き」と言い張る街並みを構成する簡素な家々の並ぶ丘は貧しさの象徴として圧倒的な存在感を見せていた。
とはいえ、観光地としては本当に一級品だと思う。
(個人的には)街歩きをしているだけでアンデスを旅している気分を思い切り味わえる首都ラパスをはじめ、何と言っても地球の鏡、ウユニ塩湖の絶景は素晴らしいの一言。
そして、ウユニ塩湖では今のところ“人生初”が2つほどあった。
・星空を撮影
・麻薬を使用
前者は天研人としてあるまじき忌々しき事態だが、日本に住みながら人生初星空撮影が南半球という人はそういないだろうからいい記念になった。
後者は犯罪…ではないw
コカの葉(勿論日本では違法)を、合法の下楽しんだ。
ボリビアやペルーでは伝統的嗜好品であるコカの葉。コカインを含む。
日本人宿で日本人から貰ったもので、最初はコカと聞いて抵抗があったが、高山病に有効だという(恐らく神経に作用して、苦痛を和らげるのだろう)。
私の場合高山病でも何でも無かったが、試しに噛んでみると、舌が激しく痺れてきたwww
苦いわ、まずいわ、舌は痺れるわで、期待していた気分の高揚などは無し。あんなものに依存してしまうわけがないと思ったw
…のだが、ボリビア国内には病的に常にコカの葉を噛んでいる人もいるようだw
●ペルー
プーノ、クスコ、マチュピチュが今回の旅で訪れる地。
ナスカやイカは新月ウユニ塩湖と天秤にかけた末、諦めることに決定。
プーノはウロス島という極めて特殊な地に赴いたのみなので、なかなかペルーに対する見識を広げる機会にはならなかった。
しかし、プーノからクスコへと移動する道中でストライキ現場に遭遇し、この国の抱える問題を1つ垣間見た。
ストライキは、違法な鉱山労働者が、国が違法な鉱山労働を取り締まるという方向に移ったことで始まったそうである。
その矛先が道路封鎖という形になり、我々観光客に被害が及ぶのは正直やめて頂きたいが、それどころではない問題があるのだろう。
■クスコ編
ではクスコ編を。
遺跡等々の説明はそもそも皆さんあまり興味が無い…というか私自身あまり興味が無(以下略)なので、割愛。
写真を交えて、見学した遺跡等以外でのハイライトをご紹介します。
▲クスコのスーパーマーケット。野菜の量り売りが出来る。宿のキッチンで簡単な料理は作れるようなので、好きな野菜であるソラマメを購入。
▲クイと呼ばれる食用巨大ネズミを食す!
ネズミの格好をしたものは見た目だけで、肉はあまりついていなかった。代わりに、その肉は恐らく、同じ皿の中の肉まんのようなものに使われていた(のだと思う
随分と癖のある肉で、スパイスをじゃんじゃん効かせて調理されていた。そうしないと食べられないのだろうか。食感は鶏肉に似ている。
同行者のお姉さん方には不評だったが、個人的には好きだった。日本にあったら年に1回くらいなら食べてもいいと思う。1皿、肉の他にコーンやジャガイモなどもあって、60ソル(=1,800円)。
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