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2012年南米旅行での防犯対策

2012年3月、大学院の修士課程を卒業して、いよいよ社会に飛び立つという直前の最後の春休み、「最後のモラトリアムを満喫しよう」ということで選んだのが南米への旅でした。

私の人生でもっとも楽しかった旅の記録を、当時の興奮・感動がそのまま焼きついた、旅行中に執筆した文章をそのままに公開いたします。

楽しいことはもちろん、今となっては笑い話ともいえる失敗談まで包み隠さず書いています。

 

なお、当時の文章をそのまま公開する都合上、時制は2012年3月当時であり、かつ私も24歳と若かったため、若さが垣間見える場面は少なからずあろうかと思いますがご了承ください。

 

これは帰国後に書いた、私が当時行った防犯対策をまとめた記事です。

 

***

2012年3月29日

 

これから旅に出る後輩へのちょっとしたアドバイスを。
今回私が南米旅行で行った、貴重品の守り方を紹介致します。
何と言っても、やはり旅行中に物を盗られてしまっては台無しになりますからね。
かつてない治安の悪さを想定していたので、私は以下の対策を行いました。段々グダグダになった時もありましたがw

 

▲南米旅行必須中の必須アイテム、現金の米ドル。さて、どうやって守る?(3週間の旅で封筒はボロボロになったw)

まず、敵を知らなければならない。
敵は当然窃盗のプロ。短時間で手品の如くターゲットから金品を奪い逃走する連中。
南米で流行している“盗み”の手口と特徴、対策を列挙してみよう。

 

①ケチャップ強盗

私も金品こそ取られてはいないものの、実際に遭遇した強盗。
ケチャップに限らず、とにかくマヨネーズやペンキ、泥、唾等、液状の物でターゲットの衣類や所持品を汚すところから始まる。
アルゼンチンでは主にその後、親切そうに拭いてあげるフリをして近付き、油断したターゲットから物を盗るという方法で、南米中部では、単に汚すだけで、驚いているターゲットから素早く財布を奪い取る手法が流行しているようだ。
いずれにしても共通点は服を汚されるところから始まる点である。
言うまでも無いが、最悪汚されても構わない服を着用し街歩きすること。

しかし、手口を重々承知していても、いくらショボい適当な服でも、実際に汚された直後というのはなかなかにショッキングなものである(経験談)。
しかしだからこそ、その心の隙に付け込まれないよう要注意。危険を察知し、とにかく強盗から逃げることを先決に考えること。
無理矢理追い掛けて盗んでくることはあまりないようなので、とにかく相手が何を言おうが逃げて距離を空けること。

 

②ニセ警官

旅行中、実際に遭遇して金を盗られたという日本人に会った。
一般的に制服もどきではなく、単に黒っぽい服を着ているだけということが多いらしい。
ともあれ、その辺は実際に街歩きをして、現地の本物の警官が着ている制服のデザインを覚えることは必要だろう。

場合によっては観光客風の仲間とグルになって、2人同時に検査するように見せ掛けて「他にももう1人いるから大丈夫」とターゲットを安心させたり、ニセモノの身分証明書を提示して信頼させてきたりなどといったこともある。
最善の対策は、その場で財布や貴重品を見せず、「最寄の警察署へ行ってから見せる」などと言うことだろう。
街中で見せてしまったら最期、手品の如く札束が抜き取られてしまう。

また、警官に限らず保安検査員などをうたって近寄ってくる場合もあるが、とにもかくにも財布のチェックなど明らかにおかしいので、絶対に財布は見せてはいけない。

③誘惑型強盗

総称名が不明なので適当に命名w
そして、私も実際にそれっぽいものに遭遇。勿論手口を知っていたので、事無きを得た。

この型の強盗は、まずターゲットの目の前に、お金の入った包みをわざと落とすことから始まる。
その後、上手い具合に後ろから通りすがり役の仲間が現れ、

「この財布の中身を一緒に分けようぜ!」

などと誘惑し、人通りの少ない場所に案内される。
そしてホクホクとお金を分け合う作業に入ったが最期、ついに金を落とした役の強盗が現れ、

「お前、金を盗ったな?もっと入っていたはずだぞ。全部出せ。」

といった具合に、実際に分け合った金額のみならず財布の中身全額強奪される。

とにかく、最大の対策は、誠実に生きること(笑)
が、日本と違って「警察に届ける」などの方法もNG。手に取った時点で「お前盗んだだろう!?」と因縁をつけられて金を強奪される可能性もあるので、極力一切包みには触れないのがベスト。安全第一。

私も目の前に誰もいない中ポトリと綺麗な袋が落ちてきて、「あ!」と思ったのだが、その瞬間にこの強盗が浮かんだ。(でも何故だろう。民家の窓から私の目の前に投げ込まれたのか!?w)
手に取らずに歩き出すと、しばらくして背後から「アミーゴ!」と男性に声を掛けられたが、それは自分のものではないと言って無視。
とにかくこの型の強盗は、関わりを持ってはいけない。

④首絞め強盗

最も手荒な方法であり、かつ対策が難しい方法。
何しろ暴力という手段を行使して盗みをはたらいてくる悪人のこと、下手に抵抗しようものなら、最悪隠し持っていた刃物や銃で殺されるということもありえるので、万一遭遇したら絶対に抵抗してはいけない。何より命が大事。

とにかく強盗は時間をかけることを嫌うので、速やかに相手の犯行を終えさせてあげられるよう、少額しか入っていないダミーの財布を取り出して渡すのが最善の策だろう。
とはいえ、メイン財布をマネーベルト、レッグポーチ、ネックポーチ、腹巻の裏等に隠している可能性は当然強盗側も熟知しており、それらの対策では不十分である。

そこで、多額の現金やパスポート、最悪のケースでただちに必要となるカードの番号や盗難・紛失窓口の連絡先を控えた紙を死守する手段が必要となる。
今回私が採用したのは、ズボンの内側に貴重品を入れた袋を吊り下げる方式。
外部から目に見えて分かるレッグポーチ等ではなく、ズボンの裏側にこのような手法で貴重品を隠し持っていることは想像し難く、恐らく有効な方法。

▲薄めのポーチに紐がついたものを、洗濯ラベルにくくりつけ、ズボンの内側に吊るす。真夏の南米では暑苦しいが、物を盗られるよりましだ。
性質上、タイトなものだとポーチが浮き上がってきてしまうため、ルーズなものが望ましい。

私は幸いにも首絞め強盗には遭遇しなかったが、強盗から見て“到達し難い”場所に貴重品を持っているというのは、ケチャップ強盗遭遇時にも心強く、そのお陰で冷静に対処出来るという良い循環を生んでいた。

 

また、すべてに共通していえることが、犯人はじっくりターゲットを観察し、犯行に乗り出すこと。
そのため、常に背後にも気を配り、こまめに後ろを振り返って、ずっとついてきたりしている怪しい人物がいないか確認すること。
優れた旅行者は後ろに目が付いている、という言われ方もあるそうだ。

 

これらはあくまで絶対的な方法ではないですが、治安の悪い場所へ出向く際は是非ご参考にして下さい^^
研究室で最後に「何か後輩へアドバイスを」と求められた時にも言いましたが、やはり学生のうちに海外旅行をしまくって下さい。そんな時にこの日記が役立てば幸いです。

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