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Parallels上のWindowsでUSキーボードのCapsLockでIMEをトグルさせる

はじめに

ご存知のように、WindowsはPC市場でデファクトスタンダードともいえる地位を築き、圧倒的なトップシェアを誇っています。
私は12歳の頃に初めて父が自宅用のPCを購入した時から、本格的にPCに触れ始めましたが、これももちろんOSはWindows2000。
以来17年間、ひたすらWindows一筋です。
そんな中で当然、星の数ほどのタイピングをしてきたわけなので、キーボードについてはWindows,JISキーボードの仕様が完全に体に染みついています

仕様といっても、基本的にはMacだろうがWindowsだろうがJISだろうがUSだろうが、qwerty配列のキーボードを選べばそれぞれのキーの位置関係は当然同一であり、「あれ、aの右はsじゃないの!?」なんてことはありえません。
ただ、今回Macを購入するにあたり、ネット上でいろいろと記事を読んでエイヤでUSキーボードを選択した私に、唯一にして致命的な落とし穴が待っていました。
それは、かな英数の切り替え

私、そして本記事をご覧の皆様の多くにとって母国語である日本語の文章を書くにあたり、かな英数の切り替えは非常に頻繁に行う操作ですが、Windowsではご存知の通りCapsLock / 英数キーを押すことで、かな英数をトグル(ボタン押下のたびに、かなと英数を交互に切り替え)することができます。

先述のとおりUSキーボードのMacBookProを購入し、当然のごとく英数キー自体が存在しないのに少々ビビっていましたが、MacではOSの設定で、caps lockの動作を指定し『オンの時「英字」を入力』などを選択することで、簡単に切り替えることができました。

しかし、「良かった」と思ったのも束の間…。

Pararells Desktopを使ってWindows10をMac上で動かすにあたり、かな英数の切り替えがどうしてもcaps lockキーで行えませんでした!
(一応、ショートカットキーoption (⌥) + ~で切り替えられますが、何より~キーが遠いし、2ボタンってのが扱い辛過ぎる…。)
まぁ、当たり前と言えば当たり前なのですが、先述のとおりUSキーボードなのでそもそも英数というキーの機能を有していないわけです。
これは困った。

ならばパソコン歴17年目にして己を矯正するか、というのも無理な話。
何より会社から貸与されている業務用のPCは、当然のようにWindows。
もう息をするようにCapsLock / 英数キーを用いてかな英数の切り替えをする体になってしまったうえ、そもそも現在進行形で会社ではWindowsを使用中なので、矯正するという選択肢はありえません。

では何とか、Windows10でこれと同等の切り替えを実現できないだろうか…。
そう思い続けながら試行錯誤しつつ、不完全なままで使い続けたこと9ヶ月。
ついに、ついに、探し続けた解答が見つかりました!
私自身の備忘録を兼ねて、私と同じような悩める方のためにその方法をご紹介します。

Parallels上のWindows側の設定

ULE4JISの導入

ULE4JISとは

ULE4JISは、USキーボードを日本語入力に対応させるアプリケーションです。
レジストリを変更するのではなく、USキーボードを日本語入力に対応させる常駐型のアプリです。
インストールや再起動などの作業は一切不要で、起動した瞬間からUSキーボードに対応します。

ダウンロードと起動

以下のリンクから移動した先にてダウンロードしてください。

ダウンロード後、デスクトップでも何でもよいのでどこでもよいのでzipファイルを展開してください。
その後、“Ule4Jis.exe”をダブルクリックして起動するだけで、USキーボードに対応します。
なお、ウィンドウやアイコンが邪魔ということであれば「隠す」ボタンを押せば消えます。
もちろん、完全に機能停止するわけではなく、裏ではきちんと動作しています。
本当に停止させたい場合は、右下のタクスバーからアイコンを右クリックして停止させます。

スタートアップを利用した自動立ち上げ

スタートアップとは

スタートアップとは、Windowsの起動時に自動的にアプリケーションを立ち上げてくれるという機能です。
Windowsを起動したらこのアプリケーションは必ず使う、というものがあれば、そのショートカットを「スタートアップ」フォルダに入れておきましょう。
たったこれだけで、自動的にアプリケーションが立ち上がります。

スタートアップの設定


Windowsのアイコン上で右クリックします。
すると、上のような画面が現れますので、「ファイル名を指定して実行」を選択します。

出現したウィンドウの名前(O):に、”shell:startup”と入力します。
あるいは、エクスプローラーを開き、アドレスバーに下記のパスを入力してEnterキーを押すことでも簡単に「スタートアップ」フォルダにアクセスできます。
下記パスは「クリップボードにコピー」ボタンを押していただければ、クリップボードにコピーされます。

%AppData%\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Startup


表示された「スタートアップ」フォルダに、ULE4JISを加えましょう。
私の場合、ショートカットではなくアプリケーションそのものを加えましたが、もちろん正常に動きます。

ここまでのまとめと問題点

こうして、無事にWindows10でcaps lockキーによりIMEをトグルできるようになりましたが、なぜか1回押しただけではうまく日本語入力できる状態にならず、2回押して日本語入力、さらに2回押して英数入力…という状態です。

言うまでもないことですが、私は「CapsLock / 英数」キーを1回押下してかな英数をトグルする操作が体に染みついていますので、到底2回押さないとダメというこの状態は容認できるものではありません。

決して納得できる状態ではありませんので、対策検討を引き続き行いました。
どうやらただ単にULE4JISをWindows側に入れただけだと、caps lockを押した時にMac側でCapsLockを認識してしまうワンステップがあり、それによって2回押下しないとトグルされない状態だったと推定しました。

Mac側の設定

Karabiner-Elementsの導入

Karabiner-Elementsとは

非常に高機能で安定性のあるキーボードカスタマイズツールです。
設定次第で、この場では書ききれないほど多彩なことができるツールですが、ここではあくまでタイトルの目的を達成するための方法のみ紹介します。
MacでUSキーボードを使っている方の多くが、Command (⌘)キーでかな/英数の切り替えのために使っていらっしゃるようです。
コマンドキーではなくcaps lockキーでかな/英数の切り替えができるのはもちろん、このツールが先述のWindows側の不具合解消にも働いてくれました。

ダウンロード

以下のリンクから移動した先にてダウンロードしてください。

移動後、以下のように中央の青いボタンからdmgファイルをダウンロードしてください。

ダウンロード後、dmgファイルを起動すればインストールできます。

設定

Karabiner-Elementsをインストールして起動したら、「Complex Modifications」タブを開いて、左下の「Add rule」ボタンをクリックします。


種々のルールを追加にするウィンドウが開きますが、これから必要となる「英数・かなキーをtoggle方式にする」ルールはありません。
そこで追加のルールを取得するために、上部の「Import more rules from the Internet (open a web borwser)」ボタンをクリックします。

開かれたページを下にスクロールしていくと、中央付近に「For Japanese (日本語環境向けの設定) (rev 3)」があります。
この横の青い「Import」ボタンをクリックします。

「このページで“Karabiner-Elements”を開くことを許可しますか?」というメッセージが出現しますが「許可」をクリックします。
その後、下記のような画面になりますので、「Import」ボタンをクリックします。

「This file was imported successfully.」と表示されれば成功です。
その後、「英数・かなキーをtoggle方式にする」の右の「Enable」ボタンを押せば、ルールが追加されます。

ここまで手順通りに進められていれば、以下のように「Enabled Rules」に「英数・かなキーをtoggle方式にする」が追加されています。

こうして晴れてトグル方式になった英数キーを、CapsLockに割り当てます。
これは非常に単純で、以下のスクリーンショットを参照してください。

1.「Simple Modifications」タブをクリックします。
2.「Add Item」ボタンをクリックします。
3.「From key」で「caps_lock」、「To key」で「英数キー」を選択して完了です!

なお、Karabiner-Elementsはデフォルトではメニューバーにアイコンが表示されます。
一度設定してしまえば、特にアイコンが表示されている必要を感じません。
同じ考えをお持ちの方は「Misc」タブをクリックし、「Show icon in menu bar (Default: On)のチェックを外してください。

なお、本項は下記を参考にさせていただきました。

OSのCapsLockでのかな英数切替をOFFに

MacのOSの機能で、CapsLockでかな英数を切り替え可能にする機能がありますが、念のためOFFにしておきましょう。
私が少し確認した限りでは、別のものを選択していても動作するようですが、念のため…。
タスクバーの「あ」「A」をクリックして、「”日本語”環境設定を開く」を選択します。

この中で、「Caps Lockの動作:」が「Caps Lock」にしておきます。

Windows側のIMEの設定変更

これまでの設定だけでは、また不十分です。
なぜならKarabiner-Elementsで上記の設定をしたことにより、CapsLockキーに割り当てられたキーがWindows側でもCapsLockから別のキーになったためです。

Windows側のタスクバー右下の「あ」または「A」を右クリックして、IMEのオプションを表示します。

「プロパティ(R)」を押すと「Microsoft IMEの設定」ウィンドウが表示されます。


このウィンドウ下部の「詳細設定(A)」ボタンを押し、「Microsoft IMEの詳細設定」ウィンドウを表示します。

「全般」タブの編集操作-キー設定(Y)の「変更」ボタンを押し、「設定ウィンドウ」を表示して、各キーの動作を変更していきます。

さて、裏で何が起こっているのか、詳細は分かりませんが、これまでの通りに設定していると、Mac側でCapsLockキーを押してかな英数をトグルさせるたび、Windows側で割り当てられたキーが「ひらがな」と「無変換」に変化しているようです。
何を言っているのか分かりにくいと思いますので、「Microsoft IMEの詳細設定」ウィンドウの「キー追加(S)」ボタンを押して、試しにMac側のかな英数を変化させて「キー設定」ウィンドウを表示し、入力されたキーを受け付け、どのキーか表示させてみて下さい。

下の画像のとおり、

Mac側が「あ」(かな)のとき「無変換」

Mac側が「A」(英数)のとき「ひらがな」

になっていることが分かります。
どうせUSキーボードには「無変換」も「ひらがな」も、いずれのキーも存在しませんので、遠慮なくこれらの設定を変更します。
キー設定において、「無変換」と「ひらがな」、それぞれの「入力/変換済み文字なし」状態の機能をダブルクリックして、「IME-オン/オフ」に変更します。

これで晴れて、当初の目的であるcaps lockキーを押すことで、かな英数をトグルさせるという、Windowsマシンと同様のキーボード設定に変更できました。

さらに面倒臭がりな方へ

本方式はタイトルの目的を果たすにはパーフェクトである自信がありますが、唯一の欠点が毎回Windowsにログインされた時に表示される「ULE4JIS」のウィンドウです。
単に「隠す(H)」ボタンを押せばいいだけですが、面倒臭がりな私はこれをバッチファイルで自動化してみました。

その前段階として、下記のリンクから、アプリケーションにキー送信(キーボード操作)をしてくれるコマンドラインツールである「sendkeys」をダウンロードします。

「sendkeys」の使い方の詳細はreadme.txtをご覧いただくとして、今回は下記コマンドのバッチファイルを作成し、バッチファイルと同じディレクトリに「Ule4Jis.exe」および解凍した「sendkeys」のフォルダを入れていただければ動きます。

start Ule4Jis.exe
TIMEOUT /T 1
sendkeys\sendkeys.exe "ULE4JIS - US Keyboard Layout Emulator" h

上記の解説をしておくと、
1行目でUle4Jis.exeを起動、
2行目で1秒待機(ULE4JISのウィンドウ出現前に3行目のコマンドが実行されるのを防ぐため)、
3行目でsendkeysを利用してULE4JISのウィンドウに「h」を送ってウィンドウを隠します。

というわけで、このバッチファイルのショートカットを先述のスタートアップに登録しておけば、Windowsを起動して自動的にULE4JISを起動し、かつ隠してくれる機能が実装できました。

効果としては非常に些細ではありますが、何もしなくてよいという開放感はボタン1つの省力化以上の価値がありますよ!

まとめ

やっぱり慣れ親しんだ環境というものは偉大です。
Parallelsでの作業がメチャクチャ捗ります。
9ヶ月ももどかしい環境で悶々と過ごした後だけに、この喜びもひとしお。
Parallels上のWindowsで致命的だと思っていた欠点がこれで解消されました。
こんな晴れやかな気分になれることはそうそうないです(笑)
私と同じ悩みをお持ちの方、ぜひお試しください!

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